森と田んぼとおばあちゃん

我々が農業を営む「橋波」という地区は地域分類でいう所の「中山間地域」にあたります。

なかなか聞き慣れない言葉ですが、中山間地域とは、平野の外側の周辺部から山間地までの山あいの地域を示します。

 皆さんが想像する、いわゆる田んぼしかない田舎の景色はほとんどがこの中山間地域だと思っても過言ではないでしょう。

日本では、国土面積の約7割を占めており、農家の4割がその土地で営農しているのだそう。(農林水産省引用)

説明が少し長かったですが、今日は田んぼの荒起こしをしに森の中の田んぼへ。
見事に森の中!谷山の中にある田んぼです。

ここには一軒ポツンと家があり、90歳になるおばあちゃんが住んでいます。
とても元気で優しくて、時に計算高く、お酒が好きな素敵なおばあちゃんですが、作業に行くといつも缶ビールをくれます。
おばあちゃんは谷を降りた先にある畑にシニアカーで出掛けて今日も農作業です。
(右下に映るのが出かけるおばあちゃん)

少し大げさかもしれませんが、中山間地域はどんどん過疎化、高齢化が進み、年配の方が農業をしながら都市部に住む子どもや、日本の食糧を支えているという点もあります。

近年は、お米余りで米価も下がり、こうした地域での米作りは赤字になる事も多く、農家をやめる人たちがいるのも事実。

今の食糧事情は飽和状態にあるかもしれませんが、いつか、食糧問題が起こりいざ田んぼや畑をもう一度やらなければ!となった時に、昔あった田んぼは森になっていた。なんて事もおこりうるかもしれません。

中山間の土地を守る意味はなかなか見出す事が難しいですが、新しく農業をはじめる人や帰って農業をしたくなった人達がいつ橋波に来てもそこには変わりない田んぼがあり、農業を始められる。

そんな見慣れた農村風景を守ることが中山間地域で農業する理由のひとつになっているのかもしれません。

おばあちゃんの家の前に掛かる橋に咲く桜。

ここに農作業をしにくる限り満開の桜と笑顔はいつも咲くでしょう。
もらったビール飲んで明日も頑張ろう!!

橋波アグリサンシャイン

農事組合法人橋波アグリサンシャインは、神話の国 島根県出雲市佐田町橋波地区において、中山間地域農業の活性化をめざして活動を行っています。 橋波地区は、出雲市の最南西部に位置する標高200mの自然豊かな中山間地域で美味しまね認証を受けて、米とほうれん草を栽培しています。

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